マラリア
- iriko9
- 2022年4月25日
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マラリアは、熱帯・亜熱帯地方に蔓延する寄生虫感染症です。マラリアの病原体は、マラリア原虫(Plasmodium属)という単細胞の寄生性真核生物であり、ハマダラ蚊によって媒介されます。ヒトに感染し臨床的に問題となるのは、熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)、三日熱マラリア原虫(P. vivax)、卵形マラリア原虫(P. ovale)、四日熱マラリア原虫(P. malariae)の4種が知られています。また近年、東南アジアの各地で。サルマラリア原虫(P. knowlesi)による集団感染事例が報告されています。
2021年に公表されたWorld malaria report によると、年間の感染者数は約2億4100万人、死亡者数は約69万人と推計されています。マラリアによる死亡者数の大部分は、アフリカのサハラ砂漠以南の5歳以下の子供であり、アフリカの中・低所得国における小児の主要な死因の一つとなっています。マラリアは診断が確定し、適切な治療を実施すれば完治する感染症ですが、アフリカ貧困地域に暮らす人々は治療薬を購入することができないなどの社会問題が横たわっています。そのため、持続効果のある予防内服薬、マラリアワクチンなどの有効なマラリア対策法の開発が求められています。 World malaria report 2021
https://www.who.int/teams/global-malaria-programme/reports/world-malaria-report-2021
マラリアの総説 Ashley, E. A., Phyo, A. P. & Woodrow, C. J. Malaria. Lancet (London, England) 391, 1608–1621 (2018).

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